大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年5月10日(金)08:35~08:48 於:衆議院分館1階ロビー)

1.発言要旨

一昨日、私自身が水俣へ出向き、7つの団体の10名以上の方々とお会いして謝罪をいたしました。参加者お一人お一人から御意見、御要望を伺いました。また、発言中にマイクの音量を切られてしまった方のお一人については、奥様の御位牌にお焼香させていただきました。
皆様からは、人の気持ちを考えた対話をしてほしい、懇談の際にもっと時間をとって話を聞いてほしい、今回のことを反省してしっかり引き継いでほしいといったことなど、様々な御意見、御要望をいただきました。
この中で、改めて懇談の場を作ってほしいという御意見、御要望があり、私の責任で懇談の場を設けることを決断いたしました。具体的な時期や方法については今後調整してまいります。
加えて、昨日、岸田総理と面会し、訪問の結果について報告しました。その際、総理からは以下の3点の指示をいただきました。
 第一に、5月1日に開催した懇談での環境省の対応は、関係者の方々を不快な気持ちにさせる不適切なものであり、今後二度と同じことが再発しないように厳重に注意してもらいたい。
 第二に、関係団体の方々から懇談の場を改めて設けてほしいという要望があったことを受けて、やり直しし、そしてもう一度懇談の場を開催するに当たっては、丁寧に御意見を聞けるような運営の仕方をよく検討してもらいたい。
 第三に、水俣病対策の推進は環境省行政の重要な柱であり、大臣が先頭に立って、関係団体の皆様をはじめ関係者に寄り添った対応を行っていくことを含め、しっかり進めてもらいたい、というものでございます。
 今回の深い反省の上に立って、環境省として皆様に寄り添って対応してまいります。また、しっかりとした水俣対応を行っていくために、体制や取組を強化することといたします。
 以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)読売新聞の田中です。
 今お話のあった、改めて設ける懇談の場なんですけれども、時期未定ということですが、1点目は大体大臣としてはいつ頃までをめどに行いたいという意向なのかというのと、2点目は今回の懇談で3分に発言を制限して行っていましたが、これについて改めて設ける懇談では発言の時間の制限についてはどういう運用を想定されているのか教えてください。
(大臣)日時でございますけれども、これから相手方との調整もあり、現時点で具体的な時期をお答えすることは困難ですけれども、できるだけ早く実施したいというふうに考えております。また、懇談の具体的な開催方法については今後調整することになりますけれども、今回のことも踏まえ、そしてまた昨日の総理の指示も踏まえ、発言の時間も十分に確保し、丁寧に御意見が聞けるような運営の仕方をしてまいりたいと、そのために十分な時間を取れる日時でやりたいというふうに考えております。
(記者)ありがとうございます。
 
(記者)熊本日日新聞の髙宗です。
 水俣病の件なんですけど、今回の発言打切りの対応を受けて、現地の患者団体に、3分を守らないほうが悪いとか、騒ぐのはおかしいという誹謗中傷の電話が入っています。このような二次被害を起こした責任を環境省はまずどう考えているのか、また根深い差別、偏見を解消するのも環境省の役割と有識者が指摘していますが、啓発にどのように取り組むのか教えてください。
(大臣)そのようなことが起きたことは誠に申し訳ないことで深く反省しております。そしてそういう二次被害の防止も含め、環境省はこのことが患者の皆様、また被害者の皆様に悪影響が出ないように、しっかりとこちらのほうについても進めてまいりたいと思います。
(記者)すみません、もう1点、今回の事態を受けてそもそも水俣病問題が終わっていないことが改めてクローズアップされています。昨日大臣も救済漏れへの対応に言及した上で全面解決に向けて最大限努力すると答弁されています。この問題が終わっていない責任がまず環境省にあると考えていらっしゃるのか、また環境省のどのような具体的な対応が問題を長引かせていると考えているのか、明確に教えてください。
(大臣)環境省発足の経緯からいっても、この問題が終わっていない責任は環境省に多くあると思います。そのために、やはり行政ですから、まず現行法制の中で最大限何ができるか、どうしたらもっと救済ができるか、これは既に指示したことでありますし、それからその先にもう少しできることが政治としてあるんじゃないか、そのことも視野に入れてしっかりスピード感を持って、この解決のために進んでまいりたいとそのように思います。
 
(記者)時事通信の吉田と申します。お願いします。
 昨日の参議院環境委員会の答弁で、水俣病への対応をスピードアップするよう省内で指示をしたとの答弁がありましたが、具体的にはどのような指示を出されたのかを教えてください。
(大臣)昨日の参議院環境委員会で発言したとおり、水俣病問題の一日も早い解決に向けて取組を加速するように事務方に指示をしております。このたびの水俣病関係団体との懇談の結果も踏まえつつ、既に事務方において具体的な作業が進められております。また、今後の懇談の機会を通じて関係者のお声も伺いつつ、さらに取組を深めてまいりたいと思います。
 現時点でこのことを、今回の記者会見で申し上げられませんけれども、とにかく総合的に、戦略的にスピード感を持って進めてまいりたいと、そういうふうに思います。
 
(記者)新潟日報の貝瀬と申します。
 新潟水俣病についてお伺いします。今回熊本の式典が話題になっていますが、新潟県でも昨年からですね、公式確認に合わせて式典を行っておりますが、こちらのほうはマイクを切る切らない以前に、まだ環境大臣から御出席いただけていないという現状でございます。地元の患者団体等からは、ぜひ大臣にお越しいただいて意見を聞いてほしいという声も強いんですけれども、今年5月31日に今年も開催されますが、大臣御出席の御意向はいかがでしょうか。
(大臣)この新潟水俣病に関する式典については、事情が許せば、地元新潟県出身の国会議員でもある国定政務官を派遣することを考えております。
 国定政務官には、地元の声を丁寧に聞いてくるように既に指示したところでございます。まずは国定政務官に御参加いただき、地元の声を丁寧に聞いていただく、そして私自身が国定政務官からしっかり報告を受けることとしたいと考えております。
(記者)すみません、大臣が御出席されないのはどうしてでしょうか。
(大臣)まずは国定政務官に御参加いただき、地元の出身でもありますし、よく地元の状況も分かっていると思いますので、しっかりその報告を受けることにしたいと現時点では考えております。
(記者)大臣は御出席されないということで、新潟水俣病が熊本に比べるとどうしてもちょっと目立たない部分もありますけれども、大臣としてはこの第二水俣病についてはどんな思いがありますか。
(大臣)大変重要な問題だと考えております。地域は違いますけれども、水俣病ということで同じく重要な問題だと考えております。
(記者)ありがとうございます。
 
(記者)テレビ朝日の中尾です。
 今回、あのような運用等、結果的に当日の対応になった背景について伺いたくて、当日、それからおとといですか、大臣熊本に二度行かれて、被害者の声も聞かれてですね、このような運用になった背景、特に識者の間には、例えばセレモニーに対する形骸化ですとか、そもそも姿勢が劣化しているというような指摘もありますけれども、2回訪れた大臣としては、今回の背景、遠因はどこにあると考えていますか。
(大臣)まず今回起きたことは深く反省していますし、その背景に対しての御質問もありますけれども、私もまだ大臣になって一年経ちませんけれども、今までの環境省の姿勢、これももう一度私としても検証したいと思いますし、しっかりと環境省が水俣問題に取り組めるように体制の強化というものも今指示したところでございます。
 
(記者)NHKの林です。今おっしゃっていただいたこと、冒頭にもおっしゃっていたと思うんですけれども体制強化については、これは具体的にはどういったことを今想定されているんでしょうか。
(大臣)具体的にはですね、まず当面の間、環境保健部長のもと前田大臣官房審議官を水俣担当といたします。前田審議官の指揮により、水俣病問題の対応力を高めてまいりたいと考えております。
 それから同時に、環境保健部の実務担当を強化してまいりたいと思います。加えて水俣の関係団体や地域の皆様との信頼関係を高めるため、私をはじめとする大臣、副大臣、政務官、また環境省の幹部、担当の各レベルで現地を訪問して懇談する機会を多く作っていきたいと、そのように考えております。
(記者)まさに来年の慰霊式までに、大臣や副大臣、政務官が水俣を訪れるということをもう予定されているということでしょうか。
(大臣)そう考えております。
 
(記者)朝日新聞、市野です。
 その体制強化という中には、まさに問題を起こした室長であったりとか、部長に関しても信頼ができないという声が上がっているんですけども、そこを変えるという御判断を含まれているのか、そのまま引き続き体制強化でも同じ部長、同じ室長のまま続けるのか、その辺りの考えはいかがでしょうか。
(大臣)現時点では、強化ということで人員を増やすということでございます。
(記者)この2人への処分など何か考えていることはありますか。
(大臣)次官と部長に関しては、既に厳重注意を行ったところでございます。
(記者)室長に関しては。
(大臣)室長に対しても、口頭で注意をしております。
(記者)現時点ではそこまで。
(大臣)現時点ではそういうことです。
 
 
会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/FXJhF57ugh0?si=eXWsM7cAlGL6m8yR
 
 
(以上)